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東京の坂と橋30・・・団子坂(別名:千駄木坂・潮見坂・七面坂) [東京の坂と橋]

名前ふりがな別名所在地北緯東経全長高低差
団子坂だんござか千駄木坂・潮見坂・七面坂文京区千駄木2丁目、3丁目北緯35度43分30秒東経139度45分40秒260m14m

団子坂.jpg

団子坂切り絵図.jpg

団子坂断面図.jpg

文京区千駄木2丁目と3丁目の間を西から東に下る坂が団子坂である。
下りきると団子坂した交差点で不忍通りと交差し、そのまままっすぐ抜けると、谷中霊園のところで右に大きくカーブして上野駅北側の渡線橋でJRの線路を越え、昭和通りにくだる。
この渡線橋を『両大師橋』というが、このはしについては、別の機会に取り上げたい。

団子坂の名前の由来は、「坂の近くに『団子屋』があったから」とか、「坂が急で転ぶと泥だらけになり団子みたいだから」ともいわれている。
また、ここは本郷台地の東縁にあたり、東京湾が望見できたことから、潮見坂とも呼ばれたようだ。
さらに、坂下には七面堂があったことから、七面坂とも呼ばれたらしい。

江戸時代の『御府内備考』には、「千駄木坂は千駄木御林跡の側、千駄木町にあり、里俗団子坂と唱ふ云々」とあり、正式名称が、『千駄木坂』で、俗称が『団子坂』だったようだ。

明治時代半ばまでは二間半というから、4.5m程度の細い道で、坂もかなり急だったらしい。
その後上下二車線に歩道の付いた広いところでは20mはある、交通量の多い道となっている。

右は団子坂した交差点、左は同交差点から団子坂を望んだところ。

DVC00017.JPGDVC00020.JPG

坂道は、登り始めて数十メートルで左にゆるくカーブする。

DVC00033.JPG

坂を上り始めると左手(北側)にはこのような古い石垣が現れる。
何回も工事をして坂道の傾斜を少なくしたということからこういう切り通しが残ったのだろうか。

DVC00035.JPG
次の写真は『団子坂上交差点』から東をのぞんだところだが、この『坂上』から、さらに西に登りは続く。

DVC00036.JPG

この坂上の交差点の左手(南側)には文京区立本郷図書館鴎外記念室がある。
DVC00039.JPG

ここは、昔鴎外が住んだ観潮楼と名づけられた家があった。

DVC00042.JPG

ここに自宅を選んだのは、鴎外ではなく息子と一緒に住もうとした鴎外の父親だった。
それまで、鴎外はここから数分の向丘2丁目に住んでいた。
最初の地図の左下にある赤丸の場所で、鴎外が観潮楼に引っ越した後は夏目漱石が住んで『猫の家』と呼ばれるようなった家である。
 ⇒猫の家はこちらをご参照ください

この地から名前の通り東京湾が一望できたのだろうか?

DVC00046.JPGこの写真は東側を望んだところだが、残念ながらビル群で囲まれ遠望できるものは無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで地図ソフトのカシミールで見える風景を作成してみた。
次のグラフィックスは、地上3mの高さで東南を望んだところだが、残念ながらかすかに海が見えるだけである。
観潮楼3.jpg

そこで、次のグラフィックスは地上230mの高さから見たところである。

観潮楼230.jpg

江戸時代は、もっと海が入り込んでいたからもう少し見やすかったのだろう。

団子坂にはいくつかの『元祖』がある。
その一つは、誰もが知っている菊人形の発祥の地なのである。

菊で飾った人形で芝居の名場面を見せる見世物だ。
始まりは江戸時代のことで、ここから程近い巣鴨の植木職人が菊細工としてお寺に飾っていたものを、明治期になるとここ団子坂に集めて、たくさんの見物客を集めるようになったのだ。
秋になると、団子坂の両側にはたくさんの菊人形を飾った小屋が立ち並んだ。
次の写真は文京ふるさと資料館に飾られている往時の様子である。

DVC00020.JPG

次の元祖は『藪そば』だ。
そば通には有名な蕎麦屋の屋号『藪そば』は、今は神田、上野、浅草が有名だが、江戸時代に神田藪の本家がここ団子坂にあったのである。

そして、『女性解放』運動の原点がここにある。
1911年(明治44年)6月に平塚らいてう(1886~1971)が中心となり、青鞜社が結成され、この地に事務所が置かれた。

同年9月には、雑誌『青鞜』が創刊され、その発刊の辞に「元祖、女性は実に太陽であった」と書かれたことは有名である。
また、あまり知られていないが、表紙の絵は後に高村光雲の長男、高村光太郎と結婚する長沼ちえの作品であった。

DVC00051.JPG

今は団子坂上交差点近くのNTTビルの横壁に、文京区の設置した『青鞜社』の由来を記した銘板が残るのみである。(上の写真)

この近くには高村光雲の遺宅がある。
とても都心に近いとは思えない緑の多い閑静な路地を入っていくと、現れる。

DVC00053.JPG


DVC00057.JPG

庭に咲く白梅はぽつぽつとほころび始めていた。

また、高村邸から東に不忍通りを目指すと、途中に本郷台地の斜面をうまく利用して作られた須藤公園がある。

DVC00062.JPG

江戸時代は加賀藩の支藩である大聖寺藩(10万石)の下屋敷跡を明治になり、長州出身の政治家品川弥二郎の邸宅となった。
さらに、1889年(明治22年)に実業家須藤吉左衛門が買い取った後、1933年(昭和8年)に東京都に公園用地として寄付されたものが、後に文京区に移管されて現在に至っている。

DVC00063.JPG

公園近くなると水の流れる音が聞こえてくるが、豊かな水量の滝が園内にはある。
もともと湧き水を利用していたのだが、数年前に枯れてしまい、現在では循環式のポンプが設置され水が流れている。

『団子坂』はこれほど有名な文学作品に数多く登場する坂は他には無いのではないかと思うくらい、色々な作品に登場する。
森鴎外の『青年』、二葉亭四迷の『浮雲』、夏目漱石の『三四郎』、室生犀星の『坂』、そして忘れてならないのは、江戸川乱歩の『D坂殺人事件』である。

DVC00007.JPGDVC00005.JPG
(家にある漱石全集や鴎外全集の写真を載せてもあまりにも普通かと思い、あえて江戸川乱歩を取り上げてみた)

D坂殺人事件は、坂の途中にある喫茶店に入った主人公と、この小説で初登場となる明智小五郎が、通りをはさんだ向かいの古本屋で発生した殺人事件を発見する話しである。

江戸川乱歩は、1919年に上京すると、ここ団子坂で古本屋『三人書房』を始める。
乱歩は後年「D坂殺人事件はの背景は、団子坂で自営した古本屋の店構えや近所の様子を念頭に置いて欠いた」と語っている。

またまだ、ここを歩くとる古きよき時代を感じさせるものがたくさんある。
出来るものなら、いつまでも後世に伝えていきたいものだ。

DVC00061.JPG
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コメント 9

がぁこ

このあたりはまたいろんなお寺があったりで歴史のある街並みが
たくさんですね(^-^*)
藪そばは神田のは行ったことがあるのですが団子坂にあったのは
知らなかったです♪^^
by がぁこ (2009-02-04 01:33) 

お茶屋

カシミール、何やら面白そうですね☆
by お茶屋 (2009-02-04 10:57) 

たく

古い時代のものは、極力残して欲しいものです。

建物の建て替えも四角ばかりじゃつまらないですよね。

あの、古い?下宿もなんかいい感じがします。(^^;


by たく (2009-02-04 20:24) 

空兵ーS

ひとつの坂の検証から、これだけいろんな方面に広がり
つながっていくんですね。
その数奇さと発見の面白さに感心します。
by 空兵ーS (2009-02-04 22:33) 

sunset

こんばんは。
D坂は団子坂のことだったんですね。
江戸川乱歩は好きです。
団子坂、面白そうな場所ですね。
by sunset (2009-02-04 22:35) 

Azumino_Kaku

千駄木。。昔、親戚が住んでおり、よく遊びに行きました・・・

久々にまた歩いてみたくなりました。
by Azumino_Kaku (2009-02-04 23:56) 

kotarobs

がぁこさん、xml_xslさん、いわもっちさん、ぴーすけさん、お茶屋さん、kakasisannpoさん、Kimukutaさん、空楽さん、ガンバルおやじさん、kskouzikさん、西尾征紀さん、たくさん、Yukiさん、空兵-Sさん、sunsetさん、さといも野郎さん、Azumino_Kakuさん、ishikawaさんご訪問とniceありがとうこざいます。

⇒がぁこさんコメントありがとうございます。
そうですね、ここら辺は昔の雰囲気をよく残してくれています。

⇒お茶屋さんコメントありがとうございます。
カシミールはフリーソフトです。
ぜひどうぞ(^^)

⇒たくさんコメントありがとうございます。
そうですね、文京区は歴史の宝庫だと思います。

⇒空兵-Sさんコメントありがとうございます。
そうなんですよね、特に文京区は歩いていると次から次へと好奇心をくすぐられるものが現れます(^^)

⇒sunsetさんコメントありがとうございます。
鴎外記念室は必見だと思います。

⇒Azumino_Kakuさんコメントありがとうございます。
そうなんですね。昔を思い出してぶらぶら歩かれてはいかがですか(^^)
by kotarobs (2009-02-05 23:08) 

kiyotime

坂を転げ落ちて泥まみれになり、団子坂、、、
ナイスです。
by kiyotime (2009-02-06 23:54) 

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